ロタウイルスとは
乳児下痢症、嘔吐下痢症の原因として、ロタウイルスがあります。
感染すると胃腸炎をおこして下痢や嘔吐の症状が出ますが、重症化すると脱水症状が見られるため、入院する必要があります。
秋から冬にかけて流行し、人と人との間で感染しやすいので、特に保育園や電車では注意が必要です。手洗いや十分加熱した食品を摂取することで予防します。
もし家族が感染した場合、こまめに消毒をするほか、共用タオルを使わないこと、ドアのノブなどの接触にも注意が必要です。アルコール消毒は有効ではないので、次亜塩素酸ナトリウム液などで消毒するようにしましょう。
症状としては、白色の下痢となり、下痢が激しいことから水分補給を欠かさないよう気をつけなければなりません。
ロタウイルス 予防接種
乳幼児が感染しやすく、重症化しやすいのがロタウイルスの特長です。
ロタウイルスによる感染が重症化するとロタウイルス脳炎(脳症)になり、神経系の後遺症を残すことが稀ですが可能性としては否定出来ません。
そのため、体力や免疫力がない赤ちゃんに対し、胃腸炎の予防、神経系の合併症の予防のため、予防接種が推奨されています。
予防接種には下記2種類があります。
①ロタリックス
グラクソ・スミスクラインから販売されているワクチンですが、生後6週~24週までの赤ちゃんに投与します。
接種回数は2回、1回当たりの費用は15,000円程度です。
接種の間隔は下記が目安です。
・1回目は生後6週から20週まで
・2回目は生後10週から24週まで
②ロタテック
MSD株式会社から販売されていて、生後6週~32週までの赤ちゃんが対象になります。
接種回数は3回、1回当たりの費用は10,000円程度です。
ロタリックスより多くの型に効果がありますが、消化器官に副作用が出る可能性が高いようです。
接種の間隔は下記が目安です。
・1回目は生後6週~24週まで
・2回目は生後10週~28週まで
・3回目は生後14週~32週まで
予防接種の金額
予防接種の費用について、地域や病院によって若干差異があります。
おおよその目安を列挙しますが、実際の費用は病院にご確認下さい。
(札幌)
ロタリックス
1回12,600円~14,000円
ロタテック
1回6,500円~9,500円
(東京)
ロタリックス
1回13,000円~15,000円
ロタテック
1回8,000円~11,000円
(大阪)
ロタリックス
1回12,000円~15000円
ロタテック
1回7,000円~13,000円
(名古屋)
ロタリックス
1回12,000円~13,500円
ロタテック
1回8,000円~9,000円
(福岡)
ロタリックス
1回14,000円~15,000円
ロタテック
1回10,000円~11,000円
予防接種の副作用
予防接種の副作用として、ぐずり・下痢・咳・鼻水・嘔吐・食欲不振・発熱が出る可能性があります。
また、初回接種から31日間の間、腸重積(ちょうじゅうせき)になるリスクもあります。
腸重積とは、腸が腸そのものに入っていってしまう病気です。
早期に接種すれば腸重積のリスクは低い傾向があるため、生後6ヶ月までに予防接種を終えるのが望ましいと言われています。
他のワクチンと同時接種できるので、例えばHibや小児用肺炎球菌ワクチン、B型肝炎や4種混合ワクチンとの同時接種もよいでしょう。
予防接種の一部公費助成
任意接種のため、ロタウイルスの予防接種では自費が原則ですが、お住まいの自治体によっては一部公費助成が受けられます。下記サイトで調べると、助成があるかどうか分かりますので便利です。
ロタウイルスに何度もかかることもありますが、これはロタウイルスにいろいろな型があるためです。
そのためか、予防接種は無駄、受けないと考えるご両親もおられるようですが、本来は症状の重症化を防ぐのが目的です。
ロタウイルス胃腸炎によって、世界中で年間およそ30~40万人の子供が命を落していると考えられていることからも、予防接種が大切です。かかりつけのお医者さんに一度相談してみてはどうでしょうか。
まとめ
秋から冬にかけて、乳幼児が感染しやすい病気にロタウイルスがあります。
体力が免疫力がないために、感染すると嘔吐や下痢の症状が見られ、重症化すると神経系に後遺症をもたらす場合があります。
任意接種のため費用はかかりますが、重症化を避けるためにもロタウイルスの予防接種を受けるのが望ましいです。